意味のないもの
「そんなの意味ないじゃん」
「なんの意味があるの?」
いいんです。意味がなくても。
なんでも意味があるとは限らず、意味がないものが存在してるからこの世は面白い。
だけど、意味を見つけることが当人にできないだけであって、
実は必然として、そこに何かがあるのかもしれません。
例えば、ある人にとって、ある芝居は嘘ごとで、その人の人生に意味がないものかもしれないけれど、
他の、ある人にとっては意味ある芝居だったり。
もっと具体的に。
今日、事務所で衣装合わせだった。
雨降る中、赤坂を歩いていた。そしてコンビニの灰皿のあるところで一服。
耳にはイヤホン、そしてメールを打っていた。
すると、同じ事務所の志帆ちゃんが僕の肩をたたいて声を掛けてきた。
彼女は事務所からの帰りだったみたい。
普通の挨拶からはじまり、すかざず
「この前私が欲しいって言っていたポスターどうなりましたか??」だって。
志帆ちゃんが僕の番組にゲストで来てくれたときにスタジオで見かけた、ポスターのことなんだな。僕にとってはそのポスター、何の意味もない。なんでもないポスターなわけだ。
たまたまTKCというアルファベット3文字がそこに写っている人の服に書かれてるだけ。
でも、数日後、東京で彼女と会ったときにそれが欲しいって言うものだから。
僕にとっちゃ「???」なポスターなわけだけど
はいはい、はいはい、
ちゃーんと覚えてましたから、処分されるポスター群の中から見つけ出して東京に持ち帰りました。
別にアーティストが映ってたりするものでなく、企業のロゴが目立つポスター。
彼女はずっとそのこと気にしてたんだな。オソラク・・・。(笑)
そのポスター、翌週に、僕だけでなく持ち帰る時に僕と一緒に居た社長やスタイリストさんにとっても、みーんなにとって「???」のポスターだった。意味のないもの。
それが、志帆ちゃんと会うや否や、彼女はそれを聞いてきた・・・ってことはすっごく気にしてたんだなー。そんなとこが可愛らしいのだけど、東京に持ち帰ったという僕の言葉を聴くと、またまた今まで歩いてきた道のりを、雨降りでも、わざわざ事務所に戻った彼女。
そこまで欲しい、手に入れたかったポスターなんだね。
処分されるゴミから救い出したポスター、きっとなにか意味があるんだよ。志帆ちゃんにとってはね。
意味のないものに、意味を見つけ出そうとしなくてもいい。
意味のないものは、意味のないものでいいんです。
だけど、僕にとっちゃ意味のないものでも、誰かには意味があるモノかもしれない。
すべて自分の判断で「意味のないもの」=「なくていいもの」とは思わないで欲しいかな。
意味の無いものがあるから、この世は面白い。
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この感覚、有吉佐和子女史の「悪女について」を読んだ時とは、また似て非なる状況に自分の心を持っていかれる。







