ゴミは燃やせ!という本を読んで
リンク: 光文社発行の書籍.
最近、僕の知っているテレビのディレクターさんが非常に熱くなっているので、僕も少し文字にしておこう・・・。
この本を読んだ。
読んだきっかけは、一ヶ月ほど前の読売新聞朝刊の記事。環境問題の専門家が、ペットボトルのリサイクルが、自己満足にしか過ぎない、環境に非常に悪い環境対策になってしまっているという記事だった。
ペットボトル、これをリサイクルしてることで、どれだけ地球に余計に負担をかけていることか。端的に言うと、5倍程度。
驚きのデータがそこには明記されていた。
簡単に言ってしまうと、ペットボトル、新たに原油から新しいペットボトルを作り出すための原油や二酸化炭素排出量に比べて、リサイクルした場合はその5倍の原油を使い、5倍以上の二酸化炭素を排出しているということ。
新品ならば、リサイクルしただけのペットボトルの5倍の新たなペットボトルを作り出せるということだ。
もっとわかりやすく書こう。1本のペットボトル、リサイクルして同じ1本を作ろうとすると、5本のペットボトルを作れるだけの石油を使うわけだ。
回収したペットボトルは、回収した時点では、あくまで、まだ、ゴミ。
そのゴミを資源に変えるためには、新たな資源の投入が必要なのだ。
その新たな資源の投入が、もともと、それらを新たに作るための必要な資源量を下回っていれば、リサイクルは、その本質として環境保護のためのリサイクル活動として成立する。
しかし、ペットボトルはそれが成立しないものだということ。成立しないどころか、5倍もの資源を必要として、使ってしまう。
回収したペットボトル、トラックでセンターまで運ぶにも、トラックの燃料となる石油が使われる。しかし、そのトラック、ペットボトルは体積がかさむために、ほとんど空気を運んでいるようなもの。だから何往復もしなくちゃいけない。
多くの軽油、燃料を必要とし、消費して二酸化炭素を排出する。
そして、ペットボトルの洗浄。まずは水で。その水だって、新たなエネルギーによって浄水された水を使い、排水処理のためにも、エネルギーをかなり使う。
次に高温洗浄。ここでは、普通に熱くした温水を使うわけではない。温度にして300度の熱水。あれ、水って100度までにしかならないんじゃないかな???そう、普通、水というものの沸点は100度だから、とっても多くの圧力とエネルギーをかけて300度の高温高圧水で洗浄する。・・・この段階ですら、もう新たに何倍かのペットボトルを作れるだけの原油、エネルギーを使っていることになる。
そして再生されたペットボトルが1本出来上がるころには、新品で5本出来上がるだけの原油、エネルギーが使われ、5倍以上も二酸化炭素を排出。
それで出来上がったペットボトルは価格に反映される。単純に考えて単価で5倍。そんなものを飲料メーカーが使うか?中身よりコストがかかってしまう・・・。
答えは当然「使わない」
紙なんかの場合、エコマークがついて名刺なんかに「リサイクル紙を使用してます」なんて書かれてたりするでしょ。それでわかるように、リサイクルされたものが使われています。でも、そんな書き込み、ペットボトルで見ますか?見ないでしょ。再生ペットボトルは使われていないから見かけないのです。
形を変えた、再生ペレットは繊維として若干使用されているくらい。そこはユニクロが頑張っている。でも、再生ペレットになるのは、5%にも満たない全体量からの比較。
では、再生されたペットボトル、どのように使われているか!
これ、体積がかさむので、保管するにもコストがかかるので、燃料として焼却処分されていたりもするのです。だったら、回収した段階で燃やしても同じ・・・いや、新たに多くの資源や酸素を使わないで済んだのに・・・。
実はペットボトル、燃やしてもダイオキシンが出ない、いい燃料になる。回収した段階で燃料として燃やせば、およそ30%がエネルギーとして回収できる。つまり火力発電に使われる30%の石油をセーブすることが出来る。それがゴミを燃やしてエネルギーとして回収するサーマルリサイクルという考え方。
それ以上に、再生に必要とされる5倍というエネルギーをセーブすることが出来るという点が大きい。
さて、ここまで書いてきて、これらの考えは今の日本のペットボトルの現状を考慮した上での考え方。ドイツでは、ガラス瓶のようにリサイクルできる厚みのあるペットボトルが使われている。リターナブル瓶と同じようなリサイクルでの使われ方。すると、洗浄だけで使える。新たな資源としては温水程度。石油資源も新たに再生する半分以下。
リサイクル運動のためのリサイクルではなくて、資源保護のためのリサイクルを見直さなきゃいけないと深く考えさせられました。
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コメント
とても興味がある話題です。
少し前の放送で聴き、「実際に読んでみようかな?」と思っていたのが、今回こちらを拝見して「読もう!」っていう気持ちになりました。
日常当たり前のペットボトル飲料。大きな商業施設で働く私は裏方で見るペットボトルのゴミの量だけでも凄いと驚いている日々です。
そこで思ったことがあります。
私達、一人一人に何ができるのでしょうか?
まずは良くも悪くも現状・事実を知ることからなのかもしれないですね。
何年か前からは仕事の時に紅茶や日本茶をステンレスボトルに入れて持ち歩いてます。季節や気分に応じHot or Iceにしてます。
日本はまだまだなんでしょうか?本当に難しい課題ですね。
投稿: くれお | 2006/09/09 01:21
こんなこと書いても、やっぱり僕もペットボトル飲料のお世話になってしまっている・・・。
ただ、同じものでもアルミ缶の飲料がある場合はそっちを選択しています。
ペットボトルが便利な点は、飲み残してもまたキャップを閉めて保存できるということ。それがドイツのようにリターナブルにされれば、環境にもいいのでしょう。
何が出来るか、それはまず誤解を訂正することかもしれません。リサイクルのためのリサイクルではなく、資源保存のためのリサイクル。そうすれば世論も変わって、リサイクルの本質に目を向けることが出来るかもしれませんね。
投稿: 岡田真善 | 2006/09/09 02:16
あらら、ペットボトルってあまり再生されてないんですね。
再生ペットボトルってあるのだと思ってました。
ドイツの場合はペット素材でも繰り返し使っていると知ってましたが、厚みがないと駄目なのですね。
かなり重くて割れるという欠点があるのだけど、昔のようにガラス瓶を繰り返し使う方が環境にはいいのかもしれないですね。
もっといいのは大昔にあった量り売り制度で、自宅からなんらかの容器をもって買いに行く事。
わたしはペットボトルはゴミに殆ど出した事がなかったけど、それは自己満足だった事はちょっとショックです。
投稿: sava | 2006/09/10 06:58
私のコメントにレスして下さりありがとうございました。
私もまだまだペットボトルに頼る生活の日々ですよ。まだまだだなぁって思います(笑)。
誤解を訂正すること、資源保護のためのリサイクル・・・そうですね。
今までの私はリサイクルという言葉や動作に酔っていたのかもしれないです(表現が不適切でしたらすみません)。
少しずつでも何らかの形で行動を起こしていきたいと思いました。
今回、真善さんを通じて色々と知ったり考えたりすることができました。放送を聴いていなかったら知らないでいたことです。
ありがとうございました。
今後も情報提供や問題提議を楽しみにしております。
投稿: くれお | 2006/09/10 09:10
savaさん>
「わたしはペットボトルはゴミに殆ど出した事がなかったけど、それは自己満足だった事はちょっとショックです。」
それは自己満足ではないですよ。そんなにショック受けないでくださいね。責めているわけではありませんよ。
ペットボトルリサイクルの現状を把握しないままイケイケムードで推進しちゃっている方々が自己満足だと・・・。僕も気をつけていました。それで
僕もきちんとリサイクルされてるものだとばかり信じていましたし。だから今までゴミとしては出さないでいた。
「だから、どうすればいいの?」と言われても、今すぐに答えを出すことは出来ない。ただ、現状を把握して、多くの方々が「おかしいぞ!」と思えば、行政も変わって、サーマルリサイクルだの、リターナブルだの、方向性が変わるかもしれません。それに期待しましょう。
投稿: 岡田真善 | 2006/09/10 10:33
真善さん、こんにちは。
こちらは、始めてお邪魔します。
本の情報有難う御座いました、早速注文ます。
ペットボトルのリサイクルのことで少し・・・
私は、某県のペットボトルリサイクル工場のプラント工事を行ったことがあります。
第3セクターで始めた事業で、当時は第2、第3工場を作る話でしたが、その話も無くなり今は工場名も変わって、どのような形態で、事業されているのかも分りません。またその工場は、グレードが高く、通常使用しない材料を使い、コストを掛け過ぎたと思います。
小さい事ですが・・・・
ペットボトルを出来るだけ買わなくなりました。
映画館でも、可能な限りスタバで購入した容器でコーヒーを買い、劇場に行くようにしています。普段も水など入れて使っています。
これからは、もっと自分で良し悪しを判断出来るように、勉強します。
投稿: ルルマルボー | 2006/09/10 18:22
うわー。リサイクルという言葉の響きのよさに、実態を見ないままでいるという自分の姿を反省しました。
いつも本質をみなければ、ですね。
投稿: ふく | 2006/09/12 01:06
たまげました。5倍ですか!
「リサイクル」という言葉の響きのよさに安心して
実態を知らないままでいる自分の姿を反省しました。
いつも物事の本質をしろうとしなければ、ですね。
投稿: ふく | 2006/09/12 01:08
さすがドイツ!
見習わなけれればいけませんね。
缶で、キャップが出来たら
いいのになー。
誰か、開発して欲しいものです☆
投稿: 真子 | 2006/09/12 20:09
真子さん>
缶でキャップがついているものは、コカコーラなどが使用していますよ。それだとリサイクルもちゃんとリサイクルとして成立しています。
ただし、ペットボトルと比較して初期費用がやはりコスト高に繋がるので、500ミリではまだ少数派ですね。中身が少ない商品では多く見かけますよ。
ペットボトルの功罪、その両方を考えなくてはならないですね・・・。
投稿: 岡田真善 | 2006/09/15 04:35
★初めまして!
●実は昨年から岡田様のブロクを何度か拝見させて頂いていました。(何となく私の茶髪に染めたルックスが岡田様に似ているな~!なんてバカみたいに信じ込んでいて・・・笑。ちょっと勘違いですかね?)
●ドイツでのリサイクルの話題がありましたので、少々コメントさせて頂きます。
今年の4月まで12年間ドイツで暮らしていましたが、2年前からドイツで販売されるビールもプラスチック製の茶色いペットボトルになりました。それもファンドでプラスチックの空き瓶をお店に返すと何セントが戻ります。他にはヨーグルトの容器とかもお店に返す人が多いですよ。私の場合は面倒なので、その空いたペットボトルを路上で小銭を集めているルンペンの方にお渡ししていました(4本あればパン1個が買えますもんね)。結構、そのドイツのペットボトルのファンドシステムは気に入っていましたよ。でも、岡田様のお話をお聞きして驚いていた次第です。ペットボトルのリサイクルも簡単ではないのだな~!と。
とても勉強になりました。
投稿: tomoching2 | 2006/10/18 21:28